獲得したタイトルは国内、国外大会合わせて21。和歌山市出身で同志社大学4年のソフトテニス選手、上岡俊介さん(21)が10月、プロプレーヤーとしての一歩を踏み出しました。ソフトテニス界で学生プロは初です。

コロナ禍に宣言

──ソフトテニスでは初めてとなる学生プロプレーヤーです。

 「プロになってから、まだ大会がなく、あまり実感はありません。これまでも厳しい練習を重ねてきたので、特に変わったと感じることはないです。プロ初試合は12月19日㊐に行われる姫路オープン。やはり注目されると思うので、そのプレッシャーに打ち勝てるように頑張ります」

──大学在籍中にプロを選択されたのは?

 「社会人となる来年4月からの予定だったのですが、コロナ禍で今年度の主要な大会が中止され、ソフトテニス界が沈んでいる中、少しでも明るいニュースを流せたらとの思いから、学生のうちにプロ宣言しました」

 

中3で世界制覇

──ソフトテニスを始めたのは?

 「小学1年の時です。元々、母がしていて、その影響で兄が先に習っていました。送り迎えで付いて行く度にコーチに何度も誘われ、僕も自然と始めました」

──プロフィールを見ると、国体、ジュニアジャパンカップ、アジアジュニア選手権などたくさんの大会で頂点に立っていますね。

 「国内と国際大会合わせ、21回になります。節目になったのは、小学校最後の全国大会です。小学1年から目標としてきた大会であり、この大会で優勝し、14歳以下日本代表のメンバーに選出されました。以降、17歳以下、20歳以下とずっと年代別日本代表に選ばれ続けています。そして現在は年齢制限のないナショナルチームに16人中、学生で唯一、選んでいただいています」

──初めて日の丸を背負って戦ったのは?

 「中学3年の世界ジュニアです。国際大会は国内大会と違って、生活環境が異なり、時間通りに試合が進まないことも多く、様々な問題が起きる中で行われます。慣れるのに時間がかかり、不安と緊張もありましたが、優勝することができました」

 

Jr育成へ挑戦

──プロ選手として目指すところは?

 「まずは来年9月に中国で開かれるアジア競技大会で金メダルを取ることです。日本代表入りできるよう、予選会に向けて、日々の練習に打ち込んでいます。小学校時代の夢は日本代表に入って、国際大会で金メダルを取ることでした。その思いは今も変わっていません。あと、プロ契約と同時に、ジュニア世代の育成プロジェクト『俊介チャレンジ』を立ち上げました。10年間で1万人の指導を目指します」

──1万人はなかなか大変ですね。

 「切りの良い数字だったので(笑)。試合との兼ね合いもありますが、この数字を目指して1年ずつ、取り組んでいきます。ソフトテニスは指導者が少なく、きちんと教えてもらえずにやめてしまう選手が多いです。僕自身の成績だけではなく、ソフトテニス界全体を引っ張っていける存在になるのが目標。そのためにも、子どもたちと直接コミュニケーションをとりながら、基礎的な技術を教え、またプレーを見せることで、『プロになりたい』と思ってもらえるよう活動していきたいです」

(ニュース和歌山/2021年12月18日更新)