《回答者》
脳神経外科
貴志川リハビリテーション病院
亀井 一郎院長

 脳梗塞は、脳の血管が詰まって栄養と酸素が脳細胞に届かなくなり、一部の脳組織が死んでしまい、その結果、さまざまな症状が出る病気です。梗塞の部位によって、片麻痺(片側の手足の運動麻痺片麻痺)や失語症(会話ができなくなる)、視野欠損、失調(体のバランスが取れない)、記憶力・思考力低下など、本当にいろんな症状を引き起こします。

 脳梗塞は、起こる仕組みによって、①アテローム血栓性脳梗塞 ②ラクナ梗塞 ③心原生脳塞栓に分類されます。①は高血圧やコレステロール高値、糖尿病、喫煙などが原因となり、頸動脈や脳の太い血管が詰まってくるものです。②は枝分かれして脳に入って行く細い血管が詰まるもので、比較的軽い症状を呈します。やはり高血圧や糖尿病の放置が原因となります。③は不整脈の一つである心房細動が原因で、脳にとっては大きな血栓が心臓から流れてきて、太い血管を詰まらせて起こります。何の前触れもなく突然、きわめて激しい症状を呈する脳梗塞で、命にかかわることがあります。

 危険因子は高血圧、糖尿病、コレステロール高値、不整脈、肥満、喫煙です。心当たりの方は要注意! まずは生活習慣の改善から取り組みましょう。

(ニュース和歌山/2021年12月19日更新)