《回答者》
貴志川リハビリテーション病院
手・足の外科センター
整形外科専門医 手外科専門医
谷口泰德 副院長・センター長
突き指はボールや物で指を突いて、指先に力が加わることによって起こる指のケガの総称です。症状は指の腫れや痛み、運動障害などです。病院に行くべきか迷うこともあるかと思います。突き指では、指先に対してまっすぐ方向の強い力が加わり、指の第一関節の伸筋腱に損傷が生じます。腱が付着する部位の骨折を生じることもあります。また、非常に強い力が加わった場合には、第二関節にも脱臼や骨折、靱帯断裂を生じることがあります。
症状は指に加わった力の強さや方向によって、異なります。軽度な時は伸筋腱のわずかな損傷のみで、痛みや腫れが生じますが自然に治ります。重度な時は伸筋腱断裂、脱臼や骨折、靱帯断裂のため、指に強い痛みと腫れを伴い、指を動かすことが困難になります。
治療は軽症であれば鎮痛剤や軟膏で治ります。伸筋腱断裂の時は指装具の装着や手術が行われます。脱臼や骨折、靱帯断裂の時は指に針金を差し込んで骨折部位を固定したり、脱臼を整復し、靱帯を縫合する手術が行われます。
指に後遺症を残さないよう、突き指を軽く考えず手外科専門医を受診し、正しい診断と治療を受けることをお勧めします。
(ニュース和歌山/2021年12月19日更新)