《回答者》
脳神経外科
貴志川リハビリテーション病院
亀井 一郎院長

 「BAD」(ビーエーディー)とは、「Branch(細い枝) Atheromatous(アテローム性、動脈硬化性) Disease(疾患) 」の略です。

 脳梗塞の一種に「ラクナ梗塞」があります。脳表には太い血管と、そこから枝分かれした細い血管があり、脳の深いところには細い血管が伸びています。ラクナ梗塞はその細い血管の先っぽが詰まって発症する病気で、10㍉あるいはそれ以下の小さな梗塞を指します。ただし、症状は軽くリハビリテーションで良く回復します。

 一方、「BAD」は、脳表の太い血管がある程度の動脈硬化を起こした結果、枝分かれした細い血管が根元から詰まって起こる脳梗塞で、ラクナ梗塞よりも梗塞が大きく、症状も重いです。数日かけて進行し、発症時は症状が軽かったのに、症状完成期にはかなり強い麻痺に陥ってしまいます。CTやMRIによる検査では、数日間に病巣の拡大(ひとまわり、あるいはそれ以上)が検出されます。様子がおかしいなと思ったらすぐに脳神経内科や脳神経外科を受診しましょう。

 なお、予防はやはり血圧やコレステロール値、血糖値、体重の管理、禁煙、そして適度な運動習慣をつけることです。生活習慣の改善を心がけましょう。

(ニュース和歌山/2022年1月22日更新)