怖さ1
出没地域 かつらぎ町
里の妖怪

 かつらぎ町で代々、農業をされているHさんに聞いた話。この地域は真冬になると結構、雪が積もるそうで、Hさんも子どものころは雪だるまを作ったり、雪合戦をしたりしてよく遊んだ。他の季節は緑に包まれる畑が真っ白になったのを眺めるのも好きだった。ある日、いつものように畑を見ていると、一部がモコッと盛り上がった。一瞬、モグラかなと思った。そのうち、平らな広い畑のあちこちからモコモコと何やら丸いものが顔を出した。モグラではない、目の大きな丸い顔。Hさんは慌てて家へ逃げ帰った。その姿を見たおばあさんは「雪玉やろ。何にもせんから大丈夫や」と言った。

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(ニュース和歌山/2022年1月29日更新)