にんじん好きな食いしん坊
今回はヤギについて話します。和歌山城公園動物園では、オスとメスで園舎が分かれています。オスは、体が大きくてあごに肉垂(にくすい)のあるムギくんと、体が小さく、ひげが生えているジョーカーくんの2頭。メスは当園で産まれた2頭の姉妹で、肉垂があるのがスズ、ないのがシュシュです。
肉垂は、あごから垂れ下がっている肉のかたまりのこと。オス、メス関係なく付いていたり付いていなかったりします。どんな役割があるか分かっていませんが、付いている方が遺伝的に優性で、スイス原産のザーネン種によく見られるそうです。
オスは仲が良く、お互いの体を枕に、寄り添って寝ている時があります。熟睡中は歯が見えて、少し面白い無防備な顔をしているんですよ。
メスはどちらも頭が良く、手足の届かないところがかゆい時、口でくわえた枝で器用にかいている様子を見ます。園舎にある大きな木の根元に立つ姿は、まるで映画のワンシーンみたいです。
4頭は食いしん坊で、にんじんがとても大好き。少しでも多く自分が食べようと、もう1頭に頭突きし、食事を邪魔します。エサやり体験では2頭が同時に食べられるよう、2本持って同時にあげるのがコツです。
前足を上げ、全力で頭突きする姿は迫力があります。たくさん食べたい時のほか、群れの中での優劣を争う、ストレス発散、じゃれ合いなど色んな理由があるよう。痛そうな音がしますが、満足するまでケンカした後は、ケロっとした様子で仲良く寝ています。
文章では伝えきれないヤギたちの魅力をぜひ、見に来てくださいね。
写真=オス舎(上)とメス舎(下)
(ニュース和歌山/2022年3月12日更新)