その昔、和歌山市では「こりん火」と呼ばれる不思議な火がよく見られたそうで、郷土誌『松江の今昔』にも紹介されている。これによれば、おせん火とも呼ばれ、遠くから見ると、人魂のように、地上すれすれのところをゆらゆらと行ったり来たりし、燈火のような後光は差さず、人魂みたいに尾もひかないらしい。人が道を歩いていると出合うことがあり、昭和の初めごろは、「足にまとわりついてきたこりん火をひょいっと飛び越えてやったわい」と武勇伝を聞かせる人がよくいたそうだ。
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(ニュース和歌山/2022年2月26日更新)