サラッとした口当たりに、様々な組み合わせから生まれるスパイスの風味が特徴的なカレー専門店、和歌山市太田の「サティヤ」。趣味の料理作りで出合ったスパイスの奥深さに魅せられ、7年前に店を構えた店長の喜田真理子さん(43)に聞きました。
なじみある味へ
─スパイスカレーとはどんな料理ですか?
「日本でよく食べられるカレーは、主にルーを使ってじっくりコトコト煮込みますよね。これは欧風カレーといって、東京で生まれたものです。スパイスカレーは南インドで日常的に食べられ、粉末状と種状のスパイスを混ぜて炒め、そこに具材を入れて風味を移します。煮込まないので、一皿分なら10分程度で作れます」
──どんなスパイスを?
「クミン、ターメリック、コリアンダーなど、常時20種類以上用意しています。新メニューを考える時は、具材によってベストな組み合わせを探していきます」
──こだわりは?
「スパイスの刺激や独特の風味から、初めは苦手に感じる人が多いです。そこで、インドにはない魚のだしやゆずこしょうを入れたり、マーボー豆腐と合わせたものを作ったりと、日本人の舌になじみのある味へ近づけました」
──「ホルモンと青ネギ」「あさりと芽キャベツ」と、珍しいメニューが多いですね。
「レシピは全部で50種類以上。定番は『牛すじとキノコのカレー』の一つだけで、それ以外は月に1、2回入れ替えています。インスタグラムで変更をお知らせしているのですが、以前、『○○カレーが復活してるって見たので』と、メニューそのものにファンがついて、また食べに来てくれたのはうれしかったです。逆に、メニューが変わるのを知らない場合でも、その度違う味に出合えるワクワクを、お客さんに感じてもらいたいですね」
まねしたい料理
──そもそもなぜスパイスカレー専門店を?
「元々、飲食店をやりたいとの夢がありました。昔から人に料理を振る舞うのが好きで自信があったんです。ある日、スパイスカレーに挑戦しようとレシピを見ながら作ったものの、うまくいかず…。悔しくて、スパイスを一から独学で勉強し、1年半かけておいしいと言えるものができました。そのころにはすっかりハマっていて、生薬としても使われるスパイスの食欲増進、整腸作用、美肌などの効果を学びました。そして、自分が作ったカレーで夢に挑戦したいと、2015年に店を持ちました」
──趣味を突き詰めたんですね。
「以前は飲食業と全く関係のない、建築関係の会社で事務をしていました。店を始める前に、日本野菜ソムリエ協会が実施する『カレーマイスター』の資格を取り、カレーの知識を深め、おもてなしのノウハウを身につけました」
──今後は?
「パイナップルやオレンジといったフルーツ入りが好評なので、新しい組み合わせを考え中。『これがカレーに合うの?』と驚いて、家でまねしたくなるものを提供したい。さらなるカレーの魅力に気付いてもらえる店を目指します」
【スパイシーズカレー サティヤ】
和歌山市太田1-14-7
11:00~19:00日曜定休
☎073・499・4810
(ニュース和歌山/2022年3月26日更新)