《回答者》
◆歯科
吉村歯科医院 吉村 義孝院長
直立二足歩行の人間にとって、あごは全身のバランサーの役目を果たしています。
下あごは、頭部の前下方に斜めにぶら下がり、上あごと下あごの間には2~3㎜の隙間があります。下あごがずれると、頭と頭を支える頸椎もずれようとし、頭と頸椎のずれを防ごうとして頭・頸部の筋肉が無理な働きをします。頸椎のそばには、脳へ血液を送る大きな血管があるため、ここの筋肉が不自然に硬直すると、脳や首回りの血流障害が起こり、頭痛や不眠、集中力の低下など様々な症状が起きたりするのです。
さらに、下あごのずれは、脊柱のゆがみを引き起こし、首・肩のこりや、胸椎、腰椎の湾曲によるさまざまな全身症状を引き起こす可能性があります。
子どもの場合、乳歯列の時期は、顎関節が未発達である等の要因もあり、下あごがずれやすい構造になっています。また、乳歯と永久歯が混ざっている混合歯列の時期は、不規則に歯の交換が行われるため、かみ合わせにがたつきが生じ、あごがずれやすくなります。もちろん、大人と同様に、下あごの位置がずれると頭痛や首こり、姿勢不良、不眠等の症状が現れます。
子どものかみ合わせは、なるべく早い段階で対処することをお勧めします。
(ニュース和歌山/2022年3月26日更新)