《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田  定則院長

 下肢静脈瘤は、足の血液逆流防止弁が壊れて血管内に血液が溜まり、静脈瘤(血管のコブ)ができる病気です。その他のむくみ、だるさ、こむら返り、かゆみ、色素沈着などの症状の重症度により、治療の方針を決定します。

 現在は、コブのできた静脈血管内にレーザーファイバーをあてて閉塞させる「レーザー治療(血管内焼灼術)」が主流です。術後の痛みや内出血が少なく、傷も針穴程度なのでほとんど跡が残りません。治療によって血液が流れなくなった血管は、ゆっくりと体内に吸収されます。治療で血管が消失しても、静脈のネットワークはとてもたくさんあるので、足の血流に全く問題は起こりません。

 症状が進行し、太く大きくなった血管に対しては、皮膚をわずかに切開し、そこから原因の血管を特殊な方法で取り出す従来の「抜去切除治療」が選択されます。いずれも保険適用で、日帰り手術が可能です。

 手術当日は超音波検査後に手術となり、1時間ほど休んで帰宅となります。自宅では安静にする必要はなく、翌日から入浴や仕事もできます。下肢静脈瘤は良性疾患ですが、少しずつ進行する病気です。放っておかず、まずは専門医に相談することをおすすめします。

(ニュース和歌山/2023年4月22日更新)