《回答者》
◆消化器外科・一般外科
福外科病院
消化器外科専門医
大腸肛門病専門医
消化器病専門医
福 昭人院長
そけいヘルニア(脱腸)と思われます。通常は痛みがないため放置されがちですが、放置していると腫れは時間とともに大きくなります。ひどくなると腸が大きく脱出し、おなかの中に戻らない、いわゆる「腸閉塞」の状態(図1)になり、激しい痛みと全身状態の悪化に陥ることがあります。女性では卵巣が脱出することもあるので注意が必要です。脱腸帯と呼ばれるバンドで外側から腫れを押さえている人もいますが、治ることはありません。
治療は、腹腔鏡手術が一般的になりました。腹腔鏡手術は、1㌢未満の小さな傷から腹腔鏡という内視鏡を入れ、おなかの中で病変を治療します。従来行われていた切開法のように患部の筋肉を切開しないので痛みが少なく、再発率も低いのが特徴です。腹腔鏡手術は、病状や他の内科的な病気の有無にもよりますが、原則日帰り手術となります。まずはかかりつけ医に相談し、消化器外科専門医を紹介してもらいましょう。
(ニュース和歌山/2022年4月24日更新)