《回答者》
◆内 科
浜田脳神経外科・内科
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 専門医・指導医
日本腎臓学会 専門医・指導医
北田 宗弘 院長

 糖尿病は、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が高くなる病気です。

 糖尿病にはいくつかの種類がありますが、90数%以上の人は、糖尿病になりやすい体質(遺伝的素因)に加え、過食、運動不足、加齢などが関与して発症する「2型糖尿病」です。血糖値の上昇が軽いうちは自覚症状はほとんどないものの、進行すると口渇・多飲・多尿・倦怠感・体重減少などを来すことがあります。また、高血糖の状態が長く続き、重症化すると、「3大合併症」と呼ばれる眼(網膜症)・腎臓病・神経障害といったより重い病気につながったり、心臓病・脳梗塞などを生じる危険性が増えます。さらに糖尿病は、認知症、感染症、歯周病、がんなどと関係することも知られています。

 このように糖尿病は、まさに〝万病のもと〟になり得ますが、〝一病息災〟と考え、糖尿病を悪化させず、上手く付き合うことで合併症を起こさないだけでなく、全身の健康を保つことができます。

 糖尿病は早期診断と、個々の生活や年齢に応じた治療を続けることが重要です。健康診断などで「血糖値が高め」と言われたり、「糖尿病」を指摘された方は、自覚症状がなくてもぜひ専門医にご相談ください。

(ニュース和歌山/2022年4月23日更新)