町の風景や施設など、現在と過去、一見違うようで見比べると、昔の名残が見られる場所がありますよね。今回は和歌山市のM・Mさんから届いた「紀三井寺にある和歌山県立医大附属病院は競馬場の跡地に建設されましたが、外周の曲線道路は、当時のコース跡なの?」を調査します。
同病院は、1909年から88年まで紀三井寺競馬場があった場所に建てられました。上は施設内マップですが、長い直線や半円型のカーブなど、確かに競走馬が走るコースのように見えますね。実際はどうだったのでしょうか…。
馬たちが走るコースだった
「和医大附属病院の外周は、紀三井寺競馬場のコース?」。病院に近い和歌山市三葛に1945年から住み、競馬場にも訪れたことのある中村正美さんに聞くと、「そうです。病院東側の直線や、北側駐車場のカーブなどはコースの名残です」とのことでした。
当時のコースは、和歌川が流れる西側をスタートして、直線を北へ向かい第1コーナー、第2コーナー、南向きに直線が続き、現在、病院の東棟付近が第3コーナー、そして第4コーナーに差し掛かります。
和歌山市立博物館が所蔵する左の写真は、80年近く続いた同競馬場が閉場した1988年3月28日に撮影されたものです。左上奥には、当時あったダイエー和歌山店(現・スーパーセンターオークワセントラルシティ和歌山店)が確認できます。また、中村さんは「和歌川側に観客席。川に架かる旭橋の近くに入り口がありました」と教えてくれました。
(ニュース和歌山/2022年5月21日更新)