交番前のたぬきや道路沿いのクマなど、このコーナーではこれまでいろんなオブジェの謎を解明してきました。今回は紀の川市のT・Yさんから届いた「岩出市のさくら保育園近くにある恐竜のオブジェ、ある時期だけいなくなるのはなぜですか?」です。

 どういうことでしょう? オブジェが自分の足で動き回るなんて怪談なのでしょうか…。恐る恐る足を運ぶと、田畑と住宅があるほのぼのした町の一角にいました。大きな恐竜です!

 


 

 

桃の季節 桃山町へ出稼ぎに

 「岩出市のさくら保育園近くにある恐竜のオブジェ、ある時期だけいなくなるのはなぜ?」。立っている場所から考えると、一看という看板会社のもののようです。清水巧社長に聞くと、「立体造形技術の宣伝にと10年以上前に造りました。6月下旬から7月上旬にかけ、桃の季節になると紀の川市桃山町の直売所に設置しています」と教えてくれました。

子どもたちに大人気

 

 このオブジェは発泡スチロールを削って形を造り、表面をプラスチックでコーティングし、塗装したもの。高さ約4㍍、重さ約100㌔あります。清水社長が仕事の合間に図鑑を見ながら社員と完成させました。ティラノサウルスで、以前は茶色でしたが、今は緑色です。

 これに目を付けたのが、桃山町最上で桃の直売所、サンワピーチサービスを営む谷口義孝さんです。多くの直売所が営業する中、桃源郷運動公園近くの店を訪れてもらおうと、10年以上前から恐竜をレンタルしています。谷口さんは「チラシを見た子どもが『恐竜のところへ桃を買いに行こう』とおねだりし、親子で訪れ、記念写真を撮って楽しんでくれています。効果は絶大ですね。今年も恐竜に来てもらいます」。

 桃の季節だけ出稼ぎに行く恐竜、働き者ですね。

(ニュース和歌山/2022年6月4日更新)