勇敢なミニギャング
今回は、4月18日に展示が始まったミーアキャットのわかば君(4歳)を紹介します。
わかば君は昨年12月3日、東京にある羽村市動物公園からやって来ました。アフリカ南部の乾燥した地域に生息している動物のため、寒さに弱く、暖かくなるまで温度管理のできる部屋で過ごしていました。
名前に「キャット」がつきますが、「ニャー」ではなく「ワン」と犬のように鳴きます。また、「サバンナのギャング」との異名を持つほど気性が荒いと言われます。こんなにかわいい姿なのに、なぜでしょう?
それは、毒のあるサソリやヘビなど危険な生き物を捕食するから。野生では家族で暮らし、年長のミーアキャットが子どもたちに狩りを教えます。鋭いキバと長い爪を巧みに使い、毒のあるサソリを弱らせながら仕留めるのですが、普段のエサの時間でも垣間見ることができます。大好物の鶏肉をお皿から引っ張り出して長い爪でコロコロ転がしたり、素早くエサを取って小刻みに食らい付いたりする姿は何ともワイルド! 動物園のエサは襲って来ないんですけどね(笑)。
ピーンと真っ直ぐに立つ姿が有名ですが、理由があります。ズバリ、日光浴と見張り。太陽にお腹を向け日なたぼっこする姿は何ともかわいらしく、大きな音や気になるものがあるとすぐに見張りスイッチがオン! 展示舎にあるキリン型の高台へ登って危険を確認し、安全と分かると近づきます。見た目とは違い、勇敢な性格なんです。だからといって、大きな声や、手を近づけるのはやめてくださいね。ギャングゆえ、細い腕と長い爪が柵のすき間から伸び、思わぬ事故につながることも…。
賢くて勇ましいわかば君。「ひまな時間なんてない!」とでも言うように、元気に走り回っています。遊びに来た際は、行動を観察してみてください。
(ニュース和歌山/2022年6月11日更新)