《回答者》
◆脳神経外科
貴志川リハビリテーション病院
亀井 一郎院長
はい、あります。とくに夏場における脳梗塞は、熱中症と大いに関係があります。
脳梗塞とは、脳の血管に詰まった血栓(血のかたまり)が血液の流れを止めてしまい、脳に栄養や酸素が行き届かなくなって脳細胞(神経細胞)が死んでしまう病気をいいます。
脳梗塞には、ネバネバになった血液によって脳血管自身が詰まってしまう場合と、心房細動などによって心臓内にできた血栓が脳に流れてきて、脳血管を詰まらせてしまう場合があります。夏場に増えるのは前者で、十分な水分補給や、エアコンなどで部屋の温度調整を適切に行わないと容易に熱中症になりますし、血液もネバネバになって脳梗塞に陥りやすくなります。ましてや、高温多湿の環境下で休憩をとらずに作業に熱中したり、マスクを外さないでスポーツや肉体労働をすることは、熱中症から脳梗塞を呼び起こすことにつながりかねません。
予防策としては、水分補給が第一です。高齢の方はのどの乾きを感じにくくなっているので、こまめな水分補給を心がけましょう。手足がしびれる、ろれつが回らない、意識の低下などが見られたら、ためらわずに脳神経内科や脳神経外科を受診しましょう。
(ニュース和歌山/2022年6月26日更新)