《回答者》
◆消化器外科・一般外科
福外科病院
消化器外科専門医
大腸肛門病専門医
消化器病専門医
福 昭人院長
肛門には静脈そうという血管のクッションがあります。便秘などの排便障害や、肛門に負担がかかる日常生活が続くと腫れ上がることがあり、出血や肛門の外へ出たりします。これが痔の主な原因です。
治療の基本は、薬物療法と生活療法です。急性期の内服薬は抗炎症剤と緩下剤で、外用薬も併用します。血栓性外痔核の場合、ステロイド製剤の坐薬や軟膏と消炎剤の内服加療の後、非ステロイド製剤の坐薬や軟膏に切り替えて継続加療します。また、激しい腫れと痛みがあり、脱出したまま肛門に戻らないかん頓痔核の場合、高力価のステロイド坐剤と消炎剤の内服で急性期を加療し、症状が改善してきたら低力価のステロイド坐剤に、さらに非ステロイド製剤に切り替えていきます。これらの治療を行っても改善が見られない場合は、外科的治療を要します。肛門病は大腸肛門病専門医に相談することをおすすめします。大腸肛門病専門医は、日本大腸肛門病学会のHPで調べることができます。
(ニュース和歌山/2022年11月26日更新)