「ほのぼのと かおる浜木綿」の歌詞で始まる『和歌山県民歌』をご存知ですか? 今回はペンネーム、夏生まれさんから届いた「和歌山に『県民歌』があると聞いたが、いつ歌うんですか?」を調査します。
都道府県民歌は各都道府県が制定したもの。戦後間もない時期、あるいは国体の開催に合わせて作ったところが多く、県民の8割が歌える地域もあるようです。では和歌山はどうでしょうか。
黒潮国体や和歌山県150年式典で
「『和歌山県民歌』はいつ歌うんですか?」。県庁県民生活課によると、「各種スポーツの壮行会や競技会、文化の祭典など、式典音楽として使っています」とのことでした。1971年の黒潮国体、77年の全国植樹祭、近年では2021年の県誕生150年記念式典などで流れました。
できたのは終戦から3年後の1948年。篤志家が「後世に残るものを」と民間団体、和歌山フィルハーモニック・ソサイエティの委員長を務める竹中重雄へ相談したのがきっかけです。同団体を中心に県民歌の制作を企画。一般公募で西川好次郎の歌詞が選ばれました。様々な懸賞で入選した人で、市町村歌はじめ、和歌山工業高校や新南小学校など県内の学校校歌も多く作っています。選者の詩人、佐藤春夫は「情緒豊かに明朗で県民性がよく現れている」と評します。作曲は山田耕筰です。
普及に取り組む県は、県庁の電話保留音に使うほか、歌を通して郷土愛を育もうと、県内全小中学校へCDと楽譜を配布。一般の希望者にも無料で配り、HPで公開しています。
(ニュース和歌山/2023年2月4日更新)