《回答者》
◆脳神経外科
貴志川リハビリテーション病院
亀井 一郎院長
まず、血管が詰まる脳梗塞も、血管が破れる脳出血も、それは〝突然起こる〟ということをご理解ください。両者を併せて「脳卒中」と言いますが、これは脳に〝突然なにか悪いことが起こる〟という意味です。
脳梗塞は、血液がネバネバになって脳の血管を詰まらせてしまったり、心房細動から血栓の塊が急に流れてきたときに起こります。
では、どういうときに血液がネバネバになりやすいかというと、長時間にわたって水分補給を怠ったり、高温のもとで作業やスポーツに懸命になりすぎて熱中症のおそれがある時などです。睡眠中も注意が必要で、水分を摂っていないうえに、寝ている間も身体の水分が尿として膀胱に移行されるので脱水傾向になります。起床時に半身まひに気付くことも少なくありません。
高血圧や糖尿病、脂質異常症(コレステロール高値)を放置していると動脈硬化が進み、血管が狭まってきます。その状態で血がネバネバになってくると脳梗塞が起こるリスクが高まります。
また、心房細動などの不整脈のある人は受診、通院を怠らないようにしましょう。これらが原因で発症する脳梗塞の方が、実は大変危険なのです。
(ニュース和歌山/2023年2月26日更新)