《回答者》
◆循環器内科
みなかたクリニック
南方  常夫院長

ご相談者の話の要点をまとめます。

 ①夜間にトイレに行きたくて何度も目が覚めてしまう。尿量もかなり多い。②慢性心不全で治療を受けており、「尿糖+4」である。また、排尿時に、下腹部や膀胱の違和感があるが、尿定性検査においては細菌感染は無かった。③心不全の治療でSGLT2阻害薬を内服している。

 順にお答えします。①頻尿は過活動性膀胱の状態で、前立腺や膀胱の病気などが考えられますが、夜間頻尿は心不全、睡眠時無呼吸、多飲水傾向など、内科的疾患の可能性もあります。頻尿でお困りの方には、トイレに行くたびに、排尿した時刻と、その時の排尿量を数日記録する排尿日誌をお勧めします。1日の尿量が2000㎖以上の場合は、水分摂取が多すぎる可能性があります。

 ②「尿定性検査においては細菌感染は無かった」とのことですが、白血球エステラーゼや亜硝酸反応は高濃度尿糖などの場合、感受性が低下することがあります。再度、尿沈渣などで感染症の有無を確認する必要があります。

 ③SGLT2阻害薬は、心不全治療には有用な薬ですが、脱水、飲水過多、尿路や性器感染症などにも注意すべきです。主治医とよくご相談ください。

(ニュース和歌山/2023年3月25日更新)