《回答者》
◆整形外科
貴志川リハビリテーション病院
整形外科専門医
松山  雄樹先生

 肩こりはそもそも病気ではなく、首の後ろから肩甲骨、肩周囲の不快感、鈍痛、重苦しさ、それに伴う筋肉の緊張を引き起こす「症状の名前」です。

 肩こりには2種類あり、1つは「症候性肩こり」です。骨・関節・内臓・目・耳鼻・歯・皮膚などの疾患が原因となり、痛みやこりが生じます。更年期障害で見られる肩こりもここに含まれます。もう一つは「本態性肩こり」で、姿勢不良・運動不足・過労・寒冷・ストレス・加齢によるものです。

 肩こりを解消するにはどちらのタイプかを見極める必要があります。症候性の場合、ごくまれに腫瘍・感染症・血液疾患など命に関わる病気が隠れていることもあります。まずは整形外科を受診し、確認後、タイプに応じた適切な治療を受けるとよいでしょう。

 本態性の場合は、整形外科で症状を和らげる治療をします。痛み止めや注射による症状のコントロールと、日常の運動療法を併せて行います。最近はエコーを使って、超音波で痛みの原因と思われる場所にダイレクトに薬液を注射する方法がとられており、従来の筋肉内注射よりも効果が高い可能性があります。詳しくは、お近くの整形外科専門医などにご相談ください。

(ニュース和歌山/2023年5月27日更新)