和歌山のみかんジュースを代表する「JOINジュース」。50年以上にわたり親しまれてきた果汁100%ジュースです。ゴクゴクッと飲み干せば、カラダいっぱいに広がるみかんの爽やかさ。昭和、平成、令和の3世代に愛されるJOINの歴史を、入会以来〝加工品販売事業ひと筋〟のJA和歌山県農果樹園芸部直販課・木下敏人さんに聞きました。

話題集めた 〝つぶつぶ〟食感

 和歌山県産みかん100%果汁、果実そのままの風味とコクを味わえるJOINジュース。暑い季節になると、冷蔵庫に常備している方も多いのでは。砂糖などの甘味料を一切使わない〝生粋の自然派〟は、小さな子どもや健康を気づかう方も安心して飲めると人気です。

 「誕生は50年以上前の昭和46(1971)年。海南食品工場でみかんの搾汁作業を開始したと記録に残っています」。みかん栽培が盛んになった西日本では、各地で〝ご当地みかんジュース が生まれ、販売にしのぎを削るようになりました。

 そんな中、みかん王国・和歌山はチャンスをつかみます。温暖な気候が生み出す県産みかんの評判が高まると同時に、大手飲料メーカーが仕掛けたみかんジュースブームの波に乗り、「JOIN」の名を広めることに成功したのです。発売3年目には桃山食品工場を新設し、増産体制に。さらに、ジュースの中にみかんの粒を加えた「JOINつぶつぶみかん」を発売しました。

 「粒入りは食感が良く、新しいジュースの味わい方として人気を集め、果汁100%を前面に出したCMも話題になりました。昭和世代の方には懐かしいかもしれませんね」。新幹線の車内販売で取り扱うなど全国展開し、ファンを増やしました。

JOINジュースのラインナップ。左から、温州みかんの香り豊かなストレートジュース「熟選工房」、濃縮還元の「みかん100」、はっさくと夏みかん混合の「結朔(けっさく)」、和歌山の梅と国産りんごのコラボ、果汁20%の「うめ&りんご」。飲みきりサイズの紙パックは持ち運びに便利です。

みかんから直接チューブで搾汁

桃山食品工場。みかんがジュースになるまでの流れを見学できます。※要問い合わせ

 こだわりは、「インライン方式」と呼ばれる搾り方にあります。みかんに穴を開け、チューブで直接果汁を吸い取るこの方法は、果汁に皮が混ざらず、苦味やえぐみが入りません。搾った果汁は素早く殺菌、冷凍保存。風味豊かなフレッシュなジュースが楽しめます。

 ここで木下さんからおいしさのヒントをひとつ。「コップに注いでしばらくすると果肉が沈殿しますが、これこそ100%果汁の証。これは食物繊維なので、開栓前によく振って、まるごとすべてお飲みください。ほかにも、ビタミンやカロテノイドといった栄養が豊富に含まれているのが特徴です」。

 和歌山生まれ、和歌山育ちのJOINジュース。現在は上の写真の通りラインナップも増え、自宅用はもちろん、贈答にもおすすめです。「世代を問わずどなたにも気軽に飲んで頂けるジュースです。これからも『和歌山の味』として皆さんに愛されるよう、創意工夫を重ねながら進化していきます」

JA和歌山県農 果樹園芸部 直販課

和歌山市美園町五丁目1番地の1 和歌山県JAビル
フリーダイヤル 0120-877-334
<受付時間 9:00〜12:00、13:00〜17:00(土日祝除く)>
https://www.wk-kennoh.or.jp/
※Aコープ、農産物直販所、JA支店、ネットショッピングサイトなどで販売

(ニュース和歌山PLUS99号/2023年6月23日発行)