20年前、「暮らしやすい空間を作りたい」と、未経験ながら自宅リビングをアメリカン調に改装した岩出市の「nego*」こと根来知穂美さん(44)。2008年にブログ「はちみつ色の時間」に、リビングの写真を載せたところ反響を呼び、仕事の依頼が入るように。今では住宅や店舗、マンションなどのインテリアデザインを請け負うほどです。
〝上出来〟の改装
──物作りや大工仕事の経験は?
「一切ありませんでした。リビングを改装した時、〝初めてにしては上出来〟と、味を占めて今に至っています(笑)。ただ、子どものころに父が私の勉強机を作ったり、押し入れに棚をつけたりしていたので、DIY(日曜大工)に対してのハードルは他の人より低かったかも知れません」
──独学なんですね。
「はい。ベテランのプロが見ると、基礎や理論に沿っていないかもしれませんが、そもそも大がかりな工事はしません。家具や部屋を、木材やペンキでデコレーションするイメージですね」
──他はどんなことを?
「子どもたちが勉強を教えあえるよう、壁に大きな黒板を取り付けて教室みたいにしたり、古くなった冷蔵庫をマットペンキで真っ黒に塗り、白い修正ペンでメッセージが書けるようにしたり。ちなみに、昨年建てた自宅のシューズクロークは自分で塗装し、棚を取り付けました」=写真
趣味が仕事に
──注目されたきっかけがブログです。
「08年ごろ、最初に手がけたリビングの写真を投稿すると見てくれる人が増えました。『手軽にやってそうなのにデザインが可愛い』『初心者とは思えないほど本格的』と興味を持っていただきました。最近はブログではなくインスタグラムを中心に発信しています」
──今では仕事になっています。
「10年ごろから依頼が来るようになりました。一番大変だったのは、2階建て中古アパートの内装変更。2階を白いレンガの壁紙を使ったアンティーク風、1階を塗り壁風の壁紙を基調としたクールな雰囲気と、違うイメージにしてほしいとの依頼です。10部屋ずつあり、完成まで3ヵ月ほどかかりました。現在は自動車店のガレージを手がけています」
──DIYの楽しさは?
「自分の手で〝嫌い〟を〝好き〟にできるところ。昔から気になることがあると放っておけない性格で、どう改善するか解決するまで考えます。そのため、お客さんには『生活の中で一番嫌なこと』を聞き、それを解消できる実用性重視のデザインを提案します。少しでもお客さんにとって暮らしやすい家になるよう、努力は惜しみません」
※インスタグラムは「chihomi_l」で検索。
(ニュース和歌山/2023年8月12日更新)