《回答者》
◆消化器外科・一般外科
福外科病院
消化器外科専門医
大腸肛門病専門医
消化器病専門医
福 昭人院長
その症状で一番多いのは痔核です。
肛門周辺の粘膜の下には、肛門のクッション機能をもつ静脈の束があります。肛門への負担が重くなると、静脈の束が拡張したり、肛門を支える組織が引き伸ばされ、出血したり肛門の外に出したりします。これを脱肛といいます。
痔核には、直腸側にできる内痔核と、肛門側にできる外痔核があります。内痔核単独の脱肛は切除せずに、硬化療法と呼ばれる局所注射の治療が可能ですが、多くは外痔核を伴っているため、完全切除あるいは硬化療法との併用が一般的です。また、切除の場合、早期退院の方ほど排便時の術後出血が多いといわれており、専門医の判断が必要なこともあるため、1週間程度の入院をお勧めします。
病院では、入院が困難な方の対応や、直腸脱や大腸がんなど他の病気との鑑別もしなければなりません。一度、大腸肛門病専門病院にご相談ください。認定された専門施設は日本大腸肛門病学会のホームページで検索できます。
(ニュース和歌山/2023年9月23日更新)