《回答者》
◆リハビリテーション科
今村病院
リハビリテーション部
言語聴覚士
岩松 裕子先生
相手にうまく伝わらず、何度も聞き返されるのはつらいですよね。脳梗塞後の話しづらさには、発声発音器官の麻痺や失調により上手く話せない「構音障害」と、言いたい言葉が出てこない「失語症」があります。両者が合併していることもあり、それぞれに異なるリハビリが必要です。
口部の麻痺では、唇や舌の動きばかり気になりますが、首まわりや胸部の筋肉の固さも喋りにくさに影響します。姿勢を正して深呼吸をし、首まわりのストレッチをします。また、声が続かなくても喋りにくいものです。「あー」と10秒続けて声を出す練習も行いましょう。
その後〝パタカラ〟の音を発音する練習をします。
パ」は唇をしっかり閉じてから声を出す/「タ」は舌先を上の前歯の裏につける/「カ」はうがいをするイメージで/「ラ」は舌先を上あごにつけてはじく…これらを意識して、大きな声で一文字一文字はっきりと発音します。
お家でできる簡単なトレーニングを紹介しましたが、自分の症状に合った口部の運動や発音の練習法は、言語聴覚士のいる病院で相談してください。人と話す時は、相手が聞き取りやすいように、ゆっくり話すように心がけるとよいですよ。
(ニュース和歌山/2023年9月23日更新)