《回答者》
◆消化器外科・一般外科
福外科病院
消化器外科専門医
大腸肛門病専門医
消化器病専門医
福 昭人院長
腹痛や腹部の違和感は、悪性腫瘍や炎症性疾患など、腸そのものが原因の「器質性疾患」と、ストレスや生活習慣病によっておこる「機能性疾患」に大きく分かれます。さらに、便通異常には、いわゆる便秘や下痢だけでなく、便秘と下痢を繰り返す交替性便通異常や残便感、便失禁を伴うものもあります。
機能性腸疾患には「過敏性大腸炎」が多く見られます。治療はまず、食事と生活習慣の改善です。次に高分子ポリマーや、消化管運動調整薬の内服治療を併用します。ただし、突然の発症や症状が急速に増悪した場合、貧血、予期しない体重減少、血便、微熱、消化器悪性腫瘍の既往歴や家族に病歴のある人がいる、50歳以上である等に該当する方は、器質的疾患を否定するためにも検便検査は必須で、陽性であれば下剤が少量で済む大腸CT検査(写真)や、治療も同時にできる消化器内視鏡検査を受けてください。専門医は日本消化器病学会、日本大腸肛門病学会のHPで検索できます。
(ニュース和歌山/2023年10月29日更新)