《回答者》
◆消化器外科・一般外科
福外科病院
消化器外科専門医
大腸肛門病専門医
消化器病専門医
福 昭人院長
そけいヘルニア（脱腸）と思われます＝図１。加齢とともに下腹部（そけい部）の筋肉組織が弱くなり、その部分からお腹を覆う腹膜が袋状に飛び出てくることで起こります。悪化すると腫れが急に硬く、指で押さえても戻らなくなり（嵌頓）、激しい痛みや全身状態の悪化に陥ります。こうなれば緊急手術が必要です。
成人では自然治癒することはありません。最近では腹腔鏡下根治術が一般的です。おへそと下腹部を３カ所、５㍉程度切開し、腹腔鏡という内視鏡を入れ、お腹の中からそけいヘルニアを修復します。従来の切開法と比べ、術後の痛みは軽微で、再発も少ないです。短期滞在型手術の施設基準を厚生労働省に届けている病院では、日帰り手術が可能です。ただ、高齢者は、手術翌日まで入院を希望される方が多いです。まずはかかりつけ医に、消化器外科専門医を紹介してもらいましょう。消化器外科専門医は、日本消化器外科学会のＨＰで検索できます。
（ニュース和歌山／2023年11月25日更新）
