《回答者》
◆整形外科
貴志川リハビリテーション病院
手外科専門医・足の外科認定医
整形外科専門医
谷口 泰德 副院長

 足の甲が腫れて、痛む病気にリスフラン関節症があります。リスフラン関節は足の甲にある関節で、5本の中足骨(足指の骨)と足根骨(足の甲の骨)からなり、強固な靱帯で結合されています。このリスフラン関節の病気は中高年に起こり、症状は足の甲の腫れと痛みで、歩行時に痛みは増強します。痛みでつま先立ちができなくなります。腫れたところに履き物などがあたり痛みます。足の甲の神経が圧迫され神経障害を合併することもあります。足の甲の骨性隆起に気づき来院される方もいます。

 原因はリスフラン関節への過度の負荷や加齢です。スポーツ活動や軽微な外傷の繰り返し、肥満による負荷があります。外反母趾や扁平足も関節への負荷増加の原因となります。外反母趾では中年以降の女性に多い傾向があります。足のレントゲン、CT検査で関節の変形、骨のトゲ(骨棘)がみられれば診断されます。治療は過度のウォーキングなどの活動を控え、足挿板の装着、そして肥満例では体重の減量を指導します。一時的ですが麻酔剤入りステロイド注射も効果があります。保存的治療で改善しない時は、関節固定の手術を行います。詳しいことは足の病気の専門医にご相談下さい。

(ニュース和歌山/2023年11月25日更新)