《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長
心臓から足に送られた血液は、足の筋肉のポンプ作用によって、重力に逆らって心臓に戻されます。さらに、静脈内の逆流防止弁のサポートでスムーズな血流が保たれています。
しかし、コロナ禍をきっかけに運動不足になって足の筋肉量が減り、筋肉のポンプ作用の低下や血液循環が悪化して足がむくんでいる人が増えています。特に女性は元々筋肉量が少ない上に、生理や妊娠などの影響を受ける場合があり、むくみやすいといえます。むくみは一般に、運動不足、冷え、肥満、塩分の摂り過ぎ、過度な飲酒、長時間の同じ姿勢など、生活習慣の影響がほとんどです。日頃からウォーキングなど、筋肉を使う運動を心がけましょう。
一方、病気が原因のむくみもあります。足の静脈の逆流防止弁が壊れ、血液が逆流し、血管のコブができる下肢静脈瘤という病気です。血液の停滞が起き、水分もうまく循環できず、むくみが起きます。下肢静脈瘤専用の弾性ソックスを履くことでむくみ症状を軽くし、静脈瘤の進行を予防することもできますが、取扱いやサイズを間違えると症状を悪化させます。
下肢静脈瘤の専門知識がある医療機関を受診し、自分に合ったストッキングを選び、履き方などの指導を受けましょう。
(ニュース和歌山/2023年11月26日更新)