新年早々、アメリカのマイアミで開かれるヨットのスナイプ級ジュニア世界選手権に、和歌山市の赤松佑香さん(20)が挑みます。和歌山工業高2年でJOCジュニアオリンピックカップ420級で日本一、関西大では11月の全日本学生ヨット選手権大会スナイプ個人3位と好成績を収めており、「世界でトップフィニッシュして、日本に帰りたい」と意気込んでいます。

情報取得が重要

──初めての海外です。

 「高校2年だった2020年、イタリアの世界大会出場権を得たのですが、新型コロナ禍で行けず、今回が初めてです。悔しい思いをしたので、世界のスナイプ乗りから吸収できるところはして、勝ちたいです」

──ペアの息は。

 「当初予定していた人が行けなくなり、急きょ同志社大の江見亜香里さんと組みました。練習時間を取れずぶっつけ本番ですが、地形や海面の情報を読み、コース取りなど戦略を練ります。いかに情報を取得できるかが重要です」

──船での役割は。

 「スキッパーといってメインの帆の操作と舵取り、また、クルーと呼ばれるもう1人から海面の情報を聞き、コース取りを考えることです。1人乗りヨットをしていたのでヨットの基礎が身についており、ヒール(傾き)バランスを細かく指示できます。船を安定させると速度が出るので、2人で協力して力を発揮し、レースごとに成長していきたいです」

──得意な風は。

 「強風が好きですが、風が強いと体力や体重で男子に負けてしまうことがありますから、現実的には微風が良いかも知れません。ただ、どんな風であっても、適した乗り方を試行錯誤しながら乗っていきます」

 

 

 

 

 

大学日本一に

──なぜ、ヨットを。

 「小5で競技を始めた姉への憧れです。自然相手のスポーツに魅力を感じ、低学年から乗りました。中学まで練習は週1でしたが、和工ヨット部は週6日の海上練習だったので、技量がアップしたと思います」

──どんなヨットに乗ってきましたか。

 「最初は1人乗りでした。姉がレーザーラジアル級というヨットで世界大会へ出ており、私も同じクラスでした。ところが、高2で2人乗りの420級を勧められ、最初は両方練習していました。そのうち、ペアの人と一緒に頑張りたいと思い、今は2人乗りです」

──将来の目標は。

 「今年の全日本学生は女子3位でしたので、男女合わせた中でトップを取ること。卒業後はプロを視野に入れながら、オリンピックにも出たいと考えています」

スナイプ級ジュニア世界選手権

1月2日㊋~7日㊐、マイアミ。大会の様子は赤松さんのインスタグラム「@yuka.uusail」。クラウドファンディングのキャンプファイアー「スナイプジュニア世界選手権大会へ!日本代表として出場します!」で年末まで渡航支援を呼びかけている。

(ニュース和歌山/2023年12月16日更新)