和歌山市が、何度も「ケチャップの年間消費量日本一」になっているのはご存じですか? オムライス、スパゲティ、ハンバーグ…。家庭の食卓に欠かせないトマトケチャップを作っているハグルマの小松良一監査役と、松元翔営業部主任にお話を伺いました。

紀の川市から全国の食卓へ

看板商品のトマトケチャップを持つ松元さん。「素材にこだわり、お客さまに『おいしい!』と喜んでいただける商品をつくり続けます」

 ハグルマの前身は、まだ洋食が憧れだった時代にできた「三ツ矢ソース」(明治27=1894=年創業)と「羽車ソース」(明治37=1904=年創業)の2社です。ともに明治、大正、昭和と大阪市内に本社と工場を構えていましたが、戦災により焼失してしまいます。

 その後、昭和44(1969)年、2つの会社が合併し関西食品が誕生。小松さんは「当時、商品は自社のトラックで中四国・北陸のお得意先様まで搬入し、そこから各家庭へ届けていました。未舗装の道がほとんどで、大変だったと聞きます」。この頃から、家庭の食卓に洋食メニューが並ぶことが増えていきました。

 昭和47(1972)年、和歌山の打田町(現・紀の川市)にトマト加工工場を建設し、間もなく本社も和歌山に移転。平成14(2002)年4月、社名をハグルマに変更しました。今では日本中にハグルマのケチャップが流通し、「これでなければ」と手に取る全国のファンに支えられています。

ケチャップの鮮やかな赤は、太陽をいっぱい浴びて育ったトマトそのものの色。完熟トマトの風味とまろやかな味わいが料理を引き立てる定番に加え、糖類や食塩を使わない健康志向の商品もあります。HPのレシピは、献立のお悩み解消に役立つと好評です。

 

労力惜しまぬこだわり加工

 「ハグルマのケチャップの特長は、甘みとコクです」と松元さん。製造の経験があり、成分などを熟知していることから、「オムライスにかけたり、ナポリタンの味付けに使うと、他との違いがきっとわかるはず」と胸を張ります。また、バイヤーさんからも「料理の味が豊かになる」とお墨付きをいただいているといいます。

ケチャップだけでなく、ウスターソース、とんかつソース、焼肉のたれやぽん酢、ドレッシングなどさまざまなラインナップ。じゃばらや紀州南高梅など和歌山県産の素材を使った商品も人気です。

 桃山工場では、約7割がケチャップ、残り3割がソースやぽん酢、ドレッシングを製造しています。ケチャップは、裏ごししたトマト、たまねぎに糖類、食塩、食酢、香辛料を混ぜあわせて調味し、90度以上で加熱殺菌します。

 「できあがったケチャップは約85度の高温のまま容器に充填し、その後冷却します。この工程によってトマト本来の赤い色が保たれ、おいしさもギュッと詰め込まれるんですよ」と笑顔をみせながら、「ハグルマの強みは定番のケチャップだけでなく、お客様のニーズにあわせて糖類や食塩を使わない商品を作っていることです。これからもさまざまな商品展開をしていきますので、ご期待ください」と意気込みを語ってくれました。

 

 

ハグルマ株式会社

【本社】紀の川市西三谷717
【桃山工場】紀の川市桃山町調月1758−8
☎0736-66-3388
https://k-haguruma.co.jp

(ニュース和歌山PLUS107号/2024年2月23日発行)
※記事内容はすべて、2024年2月23日時点のものです。
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