《回答者》
◆整形外科
貴志川リハビリテーション病院
手外科専門医・足の外科認定医
整形外科専門医
谷口 泰德 副院長
この恐い話は本当です。自宅で飼っている小型犬が幼児の陰茎、陰嚢を咬み切ることが、最近医学会でも報告されています。報告では、咬まれた子供は年齢生後3週から9歳の男児です(坂本佳奈:日形会誌43巻:739、2023年)。飼い犬が子供の陰茎を咬む理由は、オムツの尿の臭いを犬がエサの臭いと勘違いするためです。寝ている男児のオムツをはがして陰茎、陰嚢を食いちぎります。動物咬傷の8割以上は犬によるもので、男児が頭や足を咬まれることが多いです。陰茎、陰嚢を咬まれることは稀ですが、咬まれた子供の未来の人生に大きな影響を与えます。
犬に咬まれれば、すみやかに救急車で救急病院を受診して、傷害に応じて専門的な治療を受けて下さい。幼い子供達の周りには、思いもよらない恐い危険が潜んでいることを知ることが大切です。そして悲しい事故を起こさないためには、一番なによりも予防安全対策が大事です。短時間でも幼児と犬を一緒に部屋に放置しない。犬を室内で飼う時は、低月齢児はベビーベッドに寝かせる。犬にペット用のゲートやゲージの使用も考慮する。このような予防安全対策をしっかりして、大切な子供と愛犬と楽しい生活をしていくことが大事です。
(ニュース和歌山/2024年3月23日更新)