《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長

 下肢静脈瘤が原因かもしれません。下肢静脈瘤とは、足の静脈血管がコブ状にふくらむ良性の疾患です。主な症状は、こむら返り、足のだるさ、むくみ、色素沈着、かゆみ、発赤などで、中でも、こむら返りは非常によくみられます。足の静脈内にある、血液を心臓に送り出す弁が壊れ、血流が悪化することにより、夜間に突然足の筋肉が異常に収縮し、こむら返りが起こるのです。

 下肢静脈瘤が原因のこむら返りの頻度には個人差があり、「月に数回」という方から、「毎日」という方までおられます。頻繁にこむら返りが起こり、血管のコブがある方には、根本的な治療として手術を勧めています。以前は入院が必要だった手術も、現在は、外来での日帰り手術が可能となり、身体への負担も軽くなりました。たまに起こる程度であれば、ふくらはぎを圧迫する医療用弾性ストッキングの着用や、就寝前の十分な足のストレッチなどが有効です。また、こむら返りが起こったときには漢方薬(芍薬甘草湯)の服用が効果的です。

 ただし、こむら返りは下肢静脈瘤が原因ではない場合もあります。気になる症状がある方は、放っておかず、悪化する前に医療機関を受診し、医師に相談することをお勧めします。

(ニュース和歌山/2024年4月27日更新)