カルビやロース、赤身など基本メニューはもちろん、イチボ、カイノミ、はね下など希少部位のステーキも楽しめる炭火焼肉なのはな(和歌山市太田)。店長の田上顕生さん(28)は、「肉質はもちろん、盛り付けや接客までこだわり抜いています」と自信を見せます。

心もお腹も満足

──きれいな肉が皿に並んでいます。

 「黒毛和牛のA5ランクを主に出しています。ディナータイムの『今宵の盛り合わせ』は、名前の通りおすすめの部位をひと皿にまとめています。塩、タレ、ホルモンとバランス良く選んでいるので、これだけで満足いただけますよ」

──おいしく焼くには?

 「あまりひっくり返さないことです。触りすぎると、良質な肉の脂が落ちてしまいます。焼き始めはなるべく網の端でじっくり熱を入れていき、最後に真ん中でカリッとした食感と、炭の香りをつける。これがおいしい食べ方だと思います」

──ランチの名前がユニークです。

 「『さっぱり塩タンと赤身の塩焼きランチ』『お昼からガッツリカルビとホルモンのランチ』など、食べたくなるネーミングを考えました。特に人気は『みんな大好き定番のハラミのランチ』。特選ハラミ3枚とハラミ4枚を載せていて、ボリュームもあり、『食べ比べできて楽しい』と好評です」

──肉以外の食材は?

 「焼き野菜やサラダは県産を選んでいます。あと、しょう油タレに酸味をつけるため、梅干しとみかんを使っています」

──絵画やオブジェが飾ってあり、オシャレです。

 「『高級感』をコンセプトに、ゆったり過ごしてもらえるようにしています。全テーブル仕切りで個室にでき、記念日や誕生日など、お祝い事に選んでもらえる店づくりを目指しています。花を添えた盛り付けや、お客様に喜んでいただける接客と、きっとご満足いただけると思います」

お客様第一に

──いつ料理の道へ?

 「高校まで毎日野球ばかりでした。引退後、父が経営する和食店『味処 三八波』でアルバイトを始め、卒業後は大阪の心斎橋にある父の知り合いの焼肉店で半年修行。2015年にこの店を開きました」

──大変だったことは?

 「オープン3日目に、『料理が遅い』と言われました。振り返ると、肉について勉強はしましたが、接客は足りていなかったと痛感。開業間もない時点で注意していただけたので、『もっとお客様第一に考えないと』と、素直に受け止めることができました」

──心がけるのは?

 「例えば、ご高齢の方だと食べやすいよう肉を薄めにカットしたり、逆にお若くて食欲旺盛な方には、しっかり噛んで味わってもらえるよう厚めにカットしたり。ちょっとしたことですが、どなたにも最高の状態で楽しんでいただけるよう、お客様に合わせたサービスを意識しています」

──今後は?

 「父の店とコラボして、和食のテイストを取り入れたメニューをできないかと構想中です。いつかカウンターだけの肉割烹の店を開けたらなと、まだまだぼんやりですが、夢を描いています」

【炭火焼肉なのはな】
和歌山市太田1丁目12-31
営業 11:00~14:00
   17:00~22:00
定休日 月曜
電話 073・473・2911

( ニュース和歌山/2024年5月4日更新)