《回答者》
◆整形外科
貴志川リハビリテーション病院
手外科専門医・足の外科認定医
整形外科専門医
谷口 泰德 副院長
ガングリオンは腫瘤の中にゼリー状の液体がたまる病気です。腫瘤を注射器で刺して、内容物がゼリー状ならガングリオンと診断されます。腫瘤のできやすい所は手首の甲、指の付け根などで、手を使い過ぎると大きくなる傾向があります。稀に足にもできることがあります。この方のようにミカンの栽培や収穫のため段々畑の山道を繰り返し歩くことにより足の親指に負担がかかり、ガングリオンができることがあります。腫瘤は大きくなったり、小さくなったりします。通常は不快感がありますが、痛みはありません。足の親指にできると繰り返しの歩行により、大きくなった腫瘤の皮膚が薄くなり破れて、ゼリー状の液体が足の親指から流れ出てくることがあります。
治療はガングリオンの大きさや体内での深さを確認するために、MRI検査や超音波検査を行います。注射器でゼリー状の中身を吸引します。注射器での吸引を繰り返しても内容物がたまる時は、手術による摘出術が必要です。足のガングリオンは深部から発生していることが多く、全身麻酔で慎重に摘出しないと手術を行っても再発する恐れがあります。そのため治療は足の外科の専門医の先生にご相談ください。
(ニュース和歌山/2024年5月25日更新)