《回答者》
◆消化器外科・一般外科
福外科病院
消化器外科専門医
大腸肛門病専門医
消化器病専門医
福 昭人院長
日帰り手術とは、当日来院し、手術を受け、その日のうちに帰宅することをいいます。日帰り手術ができるのは、短期滞在型入院施設として国の許可を得た医療機関だけです。
手術の対象となるのは、体の表面の病気では、▽皮膚皮下良性腫瘍(粉瘤や脂肪腫など)▽爪疾患(巻き爪など)▽感染からの膿瘍▽蜂窩織炎など。消化器外科領域では、▽そけいヘルニア(脱腸)▽肛門疾患(ジオン硬化療法など)▽胆石症▽抗がん剤▽在宅医療に必要な皮下埋め込み型静脈カテーテル留置などがあります。
日帰り手術に関しては、「痛みが少ない」「手術時間が短いから簡単」「眠っている間に手術できるので楽」といった声を聞きますが、それらの評価は反面、リスクを伴います。患者さん本人が十分な説明を受けた上で納得して希望し、かつ、その危険性を十分理解していることが大前提です。専門学会で日帰り治療を推奨していない疾患もありますので、まずは専門医の説明をしっかりと受けてください。
痛みが思った以上に強い場合や不安を感じる方は、数日の入院加療(短期滞在)も選択できます。総合診療を行っている「かかりつけ医」機能のある病院なら術後も安心です。
(ニュース和歌山/2024年6月23日更新)