《回答者》
◆眼 科
𠮷村眼科
𠮷村 利規院長
昨年、日本眼科啓発会議は、6月10日を「こどもの目の日」に制定しました。乳幼児から青年という、子どもたちの大切な成長期において、視力の発達を見守り、目の健康をサポートしていくのが目的です。
生まれたばかりでわずかしか見えない赤ちゃんも、成長して6歳ぐらいまでには視力1.0を得ます。一方で、1.0に届かない「弱視」の早期発見・治療や、低年齢化する近視発症の予防にとって、「6歳で1.0」は重要な節目と考えられます。
和歌山市では他地域に先がけ、3歳児健康診査に屈折検査が導入されました。その結果、弱視の精密検査のために眼科を紹介され、受診する子どもが増えています。3歳と3歳半では、家庭や健診時のスクリーニングの正答率に差があるので、偽陽性を少なくするために3歳半児で健診が行われています。
ところで、子どもの近視を予防するには、戸外で太陽の光を浴びて活動することが有効であるという研究報告があり、注目されています。室内で本ばかり読んだり、ゲーム・スマホに没頭するのは、近視を進行させる原因になります。
最近、子育て中の親が、スマホに子守りをさせている姿を見る機会が多く、子どもの目の健康を心配しています。
(ニュース和歌山/2024年6月22日更新)