《回答者》
◆消化器外科・一般外科
福外科病院
消化器外科専門医
大腸肛門病専門医
消化器病専門医
福 昭人院長
腹痛や腹部膨満感などは、悪性腫瘍や炎症など、腸管に病変がある「器質性疾患」と、ストレスや生活習慣病によっておこる「機能性疾患」に大別されます。また便通異常には、いわゆる便秘や下痢だけでなく、便秘と下痢を繰り返す交替性便通異常や残便感、便失禁をともなうものもあります。
機能性腸疾患は「過敏性大腸炎」ともいわれます。治療はまず、食事と生活習慣の改善です。次に高分子ポリマーや、消化管運動調整薬の内服治療を併用します。
ただし、突然の発症や急速な増悪、貧血、予期しない体重減少、血便、微熱、消化器悪性腫瘍の既往歴や家族に病歴のある人がいる、50歳以上である等に該当する方は、器質的疾患を否定するためにも検便検査は必要で、陽性であれば精密検査して、前処置の下剤が少量で済む大腸CT検査(写真)や同時に治療できる大腸内視鏡検査などが選択できます。消化器病専門医、大腸肛門病専門医にご相談ください
(ニュース和歌山/2024年7月27日更新)