《回答者》
◆総合診療科・外科
貴志川リハビリテーション病院
西村 和彦院長
食中毒は細菌、ウイルス、寄生虫などが原因の健康被害です。これらが体内に入ると、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状が現れます。高温多湿の時期は、とくに細菌性食中毒が多くなります。100℃の高温で調理しても死ななかったり、冷蔵庫の中で増殖する菌がいることを知っておいてください。
家庭における食中毒は、食品の取り扱い不注意から起こります。予防のためには、「付けない」「増やさない」「やっつける」の三原則を守りましょう。
①付けない(菌を他の食品に付着させない)…手指をしっかり洗い、肉や魚は、ポリ袋やラップできちんと包んで冷蔵庫で保存しましょう。
②増やさない(菌が増殖する環境に置かない)…冷蔵品や冷凍食品は、すぐに冷蔵庫・冷凍庫に入れましょう。冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫はマイナス15℃以下に保ちます。ただし、冷蔵庫内でも細菌が死んでしまうわけではないので、早めに使い切ることを心がけてください。
③やっつける(殺菌・消毒して死滅させる)…多くの細菌は75℃、1分以上の加熱で死滅します。そのため、食材の中心部まで加熱し、すぐに食べれば、大抵の食中毒は防げます。さらに、使用後の調理器具は殺菌消毒して清潔に保管しましょう。
(ニュース和歌山/2024年7月27日更新)