《回答者》
◆外　科
楽クリニック
藤田 定則院長

　下肢静脈瘤とは、足の静脈血管がふくらみ、コブ状になる病気です。良性疾患ですので、急いで治療しなくても健康を損なうことはありませんが、自然には治りません。

　主な症状には、足の血管のコブと共に、足のだるさやむくみ、就寝時のこむら返りなどがあります。放っておくと、皮膚が乾燥して痒くなったり、皮膚が黒ずんで硬くなり、潰瘍（皮膚が破れる）ができたりして、生活の質を下げてしまいます。

　気になる症状が無ければ、適度な運動と経過観察でいいですが、不快な症状がある人には手術加療をおすすめします。

　手術は、血管内に細いカテーテルを通し、レーザーで血管を閉塞（へいそく）させる方法が主流です。傷も針穴ほどで済みます。血管の状態によっては、皮膚を小さく切開し、悪くなった血管を特殊な器具で抜き取る従来の方法で行います。どちらの方法も、保険適用で日帰り手術が可能です。

　ただ、足の不快症状の原因がすべて静脈瘤であるとは限りません。脊柱管狭窄症や腰の神経など、整形外科の病気の影響や、加齢や生活習慣による場合もあると知っておきましょう。

　足に気になる症状がある人は、症状が進行してしまう前に、早めに医師に相談しましょう。

（ニュース和歌山／2024年7月28日更新）