怖さ:2
町の妖怪
出没地域:海南市

 田辺青蛙さんの『紀州怪談』にある話。その昔、海南市に、妖怪の瓶詰めを売る行商人がいたという。ある人によると、小学校の帰り道、木製の屋台を引く行商人が20㌢大の色ガラスに入った妖怪を売っていた。値段は150円くらいで、子どもたちは面白がってこぞって買ったが、しばらくたつと妖怪は溶けて白い液体になったらしい。海南市に住む友人知人にかたっぱしから「妖怪の瓶詰めを見たことはないか」と聞いて回ったが、誰も記憶になかった。一人だけ、夜店で見たという人が現れたが、綺麗な瓶に入った得体の知れないもので、怖かったので買わなかったそうだ。

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(ニュース和歌山/2024年7月27日更新)