《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長

 足の血管がコブ状にふくらむ病気を下肢静脈瘤といいます。コブが大きくなり、足のだるさやむくみ、こむら返りなどの症状を自覚している人には、治療するかどうかの検討を、また、症状が進行し、かゆみや色素沈着など皮膚の炎症を認める人には、治療を早めに受けるよう勧めています。

 下肢静脈瘤の根本治療は手術です。事前に血液検査をはじめ、心電図や胸部レントゲンといった必要な検査を行い、手術日程を決めます。手術は、原因の血管内に細いカテーテルを入れ、レーザーで血管を加熱して閉塞(へいそく)させる、レーザー治療が主流です。従来の静脈血管を取る手術は、皮膚を小さく切開し、悪くなった血管を特殊な機器で抜き取る治療で、症状が進行して太く複雑になった血管に対して行います。どちらの方法も保険適用の日帰り手術で治療できます。

 当日は、痛みのない超音波検査実施後に、点滴で眠くなる薬を入れ、浅く眠っている間に手術を行います。来院から2~3時間で帰宅でき、当日は家事も問題なくできます。翌日からは入浴、仕事も可能です。翌日か2日後に術後の診察を、その後は2週間後、1ヵ月後、半年後と、必要に応じて定期的なチェックを受けることになります。

(ニュース和歌山/2024年9月29日更新)