《回答者》
◆リハビリテーション科
今村病院
リハビリテーション部
理学療法士
上田 智也先生
腹圧性尿失禁は、若い女性や中年女性によく見られる尿失禁で、咳やくしゃみをした瞬間や、力んだり重いものを持ち上げた時など、腹圧が急に高まるような動作をしたときに尿がもれる症状をいいます。
尿失禁の治療は、手術療法や薬物療法が一般的ですが、リハビリも非常に重要です。リハビリには電気刺激療法や骨盤底筋体操などがあります。
電気刺激療法には、干渉低周波(ウロマスター)という治療機器があります。ピリピリしない低い電流刺激を膀胱排尿筋や骨盤底筋に与え、痛みや副作用なく頻尿・尿失禁を治療します。1回約20分と短時間で、座ったり寝たりした姿勢のまま手軽に行えるのが特徴です。
骨盤底筋体操は弱くなった骨盤底筋を強化し、尿失禁を改善するリハビリです。膣と肛門の間を意識して締め、自分のおへそに向かって斜め上に引き上げるイメージで、骨盤底筋を収縮させます(おならを止める感じです)。最初は難しいため、まずは筋肉の収縮を感じられることを目標に、繰り返し取り組んでみましょう。
腹圧性尿失禁でお悩みの方は、電気刺激療法と骨盤底筋体操を実施している病院を受診し、専門医に今の状態を相談してみてはいかがでしょうか?
(ニュース和歌山/2024年9月29日更新)