《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長
排便時の痛みは、切れ痔が原因であることが多いです。便が肛門を通る時に皮膚が切れて、痛みや出血を起こします。近年、牛乳やヨーグルト、豆乳、アルコールなどを摂ることで、日ごろから軟便や下痢になっている切れ痔の患者さんが増えています。軟便や下痢に多く含まれる腸液は刺激が強く、お尻の皮膚を傷つけて弱くし、切れやすくします。
切れ痔が出来てすぐであれば排便習慣を整え、注入軟膏を使うのが効果的です。しかし、2~3カ月続けても症状が改善せず、長年繰り返したため切れた部分が深くなったり、切れ痔に伴う肛門ポリープができている場合は手術が必要です。
手術は、「日帰り手術」が主流です。20分程度の手術時間で、眠っている間に終わります。入院の必要がなく、手術直後から歩行が可能です。強い痛みや出血、気分不良などがないことを確認し、術後の説明を受け、帰宅します。自宅では安静にするよりも、普段通り生活する方がよいでしょう。
医療機関を受診するのは勇気がいるかもしれませんが、「もっと早く受診すればよかった」と後悔する前に、医師に相談することをお勧めします。生活の質を向上させるためにも、治療を前向きに考えましょう。
(ニュース和歌山/2025年1月26日更新)