《回答者》
◆総合診療科・外科
貴志川リハビリテーション病院
西村 和彦院長

 脳卒中とは、脳の血管が詰まったり、破れたりする病気の総称です。代表的なものに脳梗塞、脳出血、くも膜下出血があります。

 脳卒中の主な原因は、動脈硬化です。高血圧症や不整脈、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病や喫煙、飲酒などが発症に関連していると考えられています。症状は種類によって異なり、脳梗塞や脳出血では意識障害や半身麻痺、言語障害などが、くも膜下出血では突然激しい頭痛や意識障害などが起きます。頭痛、めまい、舌のもつれ、手足のしびれなどの前駆症状が現れることもあります。

 脳卒中が疑われる場合は、迅速に頭部画像検査(CT・MRI)で診断します。治療は薬物療法、手術療法、外科的治療、内科的治療、血管内治療などがあります。脳梗塞では、血栓溶解療法が中心です。脳出血では、血圧のコントロールや脳浮腫の治療、血腫除去術などです。くも膜下出血では、出血の原因となっている動脈瘤に対してクリッピングや瘤内塞栓術(コイリング)で再出血や再破裂を防ぎます。

 予防は、高血圧などの治療に加え、禁煙や適量飲酒に努めることが肝心です。また、脳ドックによる健診も脳動脈瘤の早期発見に有用です。

(ニュース和歌山/2025年4月26日更新)