《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長

 排便の時、 それまでたまにだった肛門のいぼの脱出が、 排便の度に出てくるようになり、指で戻すのが習慣になっている方がいます。 そのようないぼは、「いぼ痔(痔核)」 と 「肛門ポリープ」 に分けられます。

 いぼ痔は、肛門の血管が腫れてできる病気です。中から出てくる軟らかいいぼ痔は内痔核で、排便後、 自然と戻る初期のうちであれば、排便習慣を整えたり、坐薬などの治療を続ければ小さくなり、出てこなくなることがあります。

 一方、肛門ポリープは少し硬さがあり、 きのこ状の形をしています。 これはお薬を使っても治りません。特に目立った症状がなければ、そのままにしておいても良いですが、少しずつ大きくなったりもします。

 ただ、指で押し戻している痔核や肛門ポリープは、 だんだんと脱出する範囲が広がっていきます。 さらに、 そのまま放置していると、指で戻してもまたすぐに出てくるようになり、こうなるとお薬では改善しません。最終段階になると、常に出たままの状態になり、 痛みや出血を伴うこともあります。 ここまで進行した症状には、手術による治療をお勧めします。

 脱出するいぼがある人は、 一度、医療機関を受診してください。

(ニュース和歌山/2025年4月26日更新)