《回答者》
貴志川リハビリテーション病院
手・足の外科センター
整形外科専門医 手外科専門医
谷口泰德 副院長・センター長
ゴルフのスイングをすると肘の内側に痛みが出る病気に上腕骨内側上顆炎があります。上腕骨内側上顆炎はテニスなどのスポーツ活動、重い物を持つ作業、手を捻る動作をする人によく見られます。ゴルフのスイング動作で痛みを感じることが多いため、別名ゴルフ肘とも呼ばれます。
症状は肘の内側を押すと痛みが誘発され、手首を曲げるように力をいれると肘の内側に痛みが走ります。原因は肘の内側にある上腕骨内側上顆と呼ばれる骨に付着する筋肉を過度に使うことで、その部位に炎症が生じて痛みがおきます。加齢による筋力の低下、柔軟性の衰えも要因となります。レントゲン検査で肘の内側に骨の変化が見られることがありますが、異常が見られないことも多いです。
治療は、まず原因となっている作業、スポーツを控え、装具着用、湿布、消炎鎮痛薬の投与を行います。痛みが強い場合は、ステロイド剤を局所に注射します。保存療法を続けても痛みが改善しない時には手術をすることもありますが、安静と保存的治療でほとんどは改善します。そのため手術を勧めることは希です。詳しいことは手の病気の専門医にご相談ください。
(ニュース和歌山/2021年9月25日更新)