天然砂の加太海水浴場から飛んでくる砂を防ごうと、加太北丁自治会16人と加太小学校高学年34人が7日、250㍍にわたりクロマツの苗木42本を植えた。

 万葉集で「潟見の浦」と詠まれた景勝地、加太。自治会員メンバーによると、終戦ごろにはすでに松があったが、1965年ごろの県道拡張で姿を消した。以来、海岸沿いの住民は風で飛んでくる砂に悩まされてきた。

 今回、砂を防ぐだけでなく、防風や津波の被害軽減を図り、また白砂青松の景観を復活させ、活性化につなげるため、植樹を行った。

 海水浴場東側の和歌山県道沿いに植えたのは、害虫のマツクイムシに強く改良したクロマツ。1年で40〜50㌢伸び、8年で3〜4㍍になる。自治会員から植え方の説明を受けた児童も、砂まみれになりながら丁寧に植えた。4年の嶋一颯(いぶき)くんは「風が強く砂が目に入ったけれど、楽しかった」、大浦結己(ゆき)さんは「加太の海をもっとみんなに知ってもらい、もっといい海にしたい」と話していた。

 藤井保夫自治会会長は「子どもたちの成長とともに松も大きくなる。故郷を大事にする気持ちを養ってほしい」と語った。

写真=クロマツを植樹する小学生

(ニュース和歌山より。2017年3月18日更新)