環境に優しい社会の実現を目指した取り組みを表彰する環境省の「グッドライフアワード」で、和歌山市西河岸町の資源リサイクルセンター松田商店が「『環境と企業』特別賞」に選ばれた。2006年に工場内を〝テーマパーク〟化し、子どもたちがリサイクルについて楽しく学べるよう工夫。松田美代子社長は「これからも継続してゆくことが大事だと思っています。環境問題を身近に感じた子どもから大人へとリサイクルの大切さを発信してもらえれば」と願う。
グッドライフアワードは全国のNPOや企業などの活動に賞を贈る制度。2013年度に始まり、3回目の今回は155件の応募があった。
家庭から出るカン、ビン、ペットボトルなどのリサイクルに取り組む松田商店は、工場内の一室を博士の研究室をイメージした部屋に改装している。分別されたゴミで作られたクルリンちゃん、逆に分別されていないゴミから生まれた怪獣マゼゴミラなど独自のキャラクターを使って、ゴミ問題を分かりやすく解説。進行を担当する〝博士の助手〟は女性社員4人が交代で務める。
最近10年間で受け入れた見学者は4万5000人以上。松田多永専務は「自分たちが取り組んでいるリサイクル業を、いろんなアイデアを出し合い、ちょっとした工夫を加えることで、無理なく環境教育のために見てもらえてきたと思います」。昨年12月の授賞式に出席した美代子社長は「他の受賞団体の取り組みを知り、我が社の取り組みは他にはないことだと改めて感じた。今後、地域貢献に一層力を入れたい」と意気込んでいる。
写真=ゴミ問題を優しく説明する取り組みが評価された
(ニュース和歌山2016年1月9日号掲載)