性同一性障害や同性愛など性的少数者の自助グループ「チーム紀伊水道」が、フリーペーパーと演劇での啓発活動に乗り出した。現在、誌面作成と公演に協力できる人を募っており、衛澤創代表は「『自分の身近にいるわけがない』と思い込んでいる人たちへ理解を広めるきっかけをつくりたい」と話している。
2015年は渋谷区が4月、全国に先駆け同性カップルに結婚に相当する関係を認める「パートナーシップ証明書」を発行する条例を施行。年末は性的少数者の総称「LGBT」が「今年の新語」に選ばれるなど、徐々に社会的認知が進む。
紀伊水道は性的少数者が集い、相談できる場をつくろうと2004年に発足。隔月、和歌山市で当事者やその家族、関心を持つ人の交流会や講演会、イベントを開く。
企画したフリーペーパーは4月に創刊し、年3回発行。性的少数者に関するニュース、活動報告、悩み相談などをA5判20㌻に盛り込み、市内の飲食店などに設置する。
一方の演劇は、田亀源五郎さんの漫画『弟の夫』をベースに企画。カナダで同性婚をした亡き弟のパートナーとの出会いを通し、主人公の偏見や心の動きを描く。
事務局の倉嶋麻理奈さんは「当事者はなかなか顔を出せず、出演するのが難しい。関心がある人にぜひ参加してほしい」と呼びかける。出演者、裏方、脚本家など全部門を募集。経験や当事者か否かは問わない。
次回交流会は2月14日(日)午後1時~5時、和歌山市三沢町の中央コミュニティセンター。500円。希望者は事務局(kii.suidoh@gmail.com)。
写真=性の多様性を示す虹色の旗を手にする衛澤代表
(ニュース和歌山2016年1月9日号掲載)